SuperKEKB 真空グループ
SuperKEKB Vaccum Group
SuperKEKB 真空グループ
SuperKEKB Vacuum Group
SuperKEKB 真空グループ
加速器真空システムの役割
SuperKEKBのようなリング型加速器では、電子や陽電子のビームは金属製ビームパイプの中を回っています。ビームパイプ中に気体分子が大量に存在していると、電子や陽電子は気体の分子との衝突により進行方向が大きく曲げられてしまい、長時間パイプ内にとどまることができません。そこで、ビームパイプ内の気体分子を減らし、真空状態にすることが必要となります。例えば圧力を1兆分の1気圧にするとビームを10時間以上加速器内に溜めておくことができます。このように、ビームパイプを真空にし、安定に維持することが加速器真空システムの大きな役割です。圧力が低いと、ビームを安定に保つ効果もあります。真空システムは、加速器の基本となるシステムの一つです。
真空の作り方
SuperKEKBでは、ビームパイプに沿って真空ポンプを並べてパイプ内を真空にします。主に使う真空 ポンプは、非蒸発型ゲッター(NEG)ポンプというもので、パイプ内の気体分子をきれいな(活性な)金属の表面に化学的にくっつけてしまうものです。パイプ内の気体分子をNEGポンプ表面にくっつけることで、パイプ内を自由に飛び回る気体分子の数を大気の1兆分の1気圧程度まで減らしています。
SuperKEKBのビームパイプ
SuperKEKBのビームパイプは、アルミや銅などの金属を型に通してパイプ状に成形し、その後各部品を溶接して作ります。加速器のビームパイプが他の真空容器と大きく違うのは、その中に高エネルギーの電子や陽電子のビームが通っているという点です。そのために、ビームから出る放射光や、ビームがつくる電磁波、電子やイオンが常にその中にあります。ですから、加速器のビームパイプは、真空を保つだけでなく、放射光から機器を守る突起を設けたり、余分な電磁波がつくられにくい滑らかな断面にしたりと、様々な工夫が取り入れられた機器となります。SuperKEKBのビームパイプは、このような要求にしっかり対応するために、ビームが通る部分の両側に小部屋(アンテチェンバー)がある、“土星”のような独特な断面を持っているのが大きな特徴です。
秋田尚樹
Naoki Akita
准技師
石橋拓弥
Takuya Ishibashi
准教授
金澤健一
Ken-ichi Kanazawa
ダイヤモンドフェロー/名誉教授
柴田恭
Kyo Shibata
グループリーダー/教授
白井 満
Mitsuru Shirai
専門技師
末次 祐介
Yusuke Suetsugu
研究員/名誉教授
照井 真司
Shinji Terui
技師
Yao Mu-Lee
特別助教