ビームモニターグループ
Beam Instrumentation
ビームモニターグループ
Beam Instrumentation
ビームモニターグループ
ビーム位置モニタ
SuperKEKBのような精密な加速器では、高い性能を実現するために、ビーム位置モニタが重要な役割を果たします。ビームを安定に周回させるために、ビームの軌道を約十秒毎に調整しており、多数のビーム位置モニタを用いてビーム軌道を測定しています。リング全周のビーム位置を約1〜3μmの高精度で、3秒以内に測定できます。電子ビームと陽電子ビームが衝突する場所では、最適な衝突条件を維持するために、特別な信号処理回路で、0.1μm以下の精度でビーム位置を高速に測定、フィードバックします。
可視光・X線サイズモニター
加速器のリング中で加速される電子や陽電子は塊(バンチ)になっているため、効率よくお互いを衝突させるためにはバンチの形つまりビームサイズを知ることが必要です。バンチはこのSuperKEKB加速器では長さ6mm程度、横幅0.3mm、高さ0.01mm程度のうすいヒモのような形をしていて、ふつうの運転ではリングの中に2500個程度回っています。運動するこれらの電子・陽電子が磁場中でリングに沿って軌道を曲げられるとき、運動の接線方向に光(電磁波)を放出しますが、この光を観測するとバンチの形がわかります。観測する光には可視光(目に見える光)とより波長の短いX線が含まれていて、バンチの進行方向の長さ、水平方向の幅を可視光の成分で、垂直方向の高さは小さいのでX線の成分を用いて測定しています。
バンチフィードバックシステム
もしも、真空容器がバンチが出す電磁波がたまりやすい形をしていて、しかもバンチが来るタイミングと、たまった電磁波がバンチをけっ飛ばすタイミングが、ちょうどブランコをどんどんこいでいくようにビームの振動を大きくする関係になっていれ
ば、はじめはごく小さな振動でも、前を走っていったバンチの振動が、後ろのバンチではどんどん大きくなっていって、ひどい場合にはビームが真空容器の壁に当たっ
て無くなってしまったり、バンチの大きさが時間平均的に大きくなってルミノシティが下がり実験がうまくいかなくなったりします。このような現象をビーム不安定と呼びます。ビーム不安定が起きると、加速器の本来の性能が出ませんので、ぜひともビーム不安定は退治しなければなりません。このような不安定をおさえこむため、SuperKEKB加速器には強力なバンチフィードバックシステムが用意されています。
池田 仁美
Hitomi IKEDA
准教授
石田 孝司
Takashi ISHIDA
技師
岩渕 周平
Shuhei IWABUCHI
准技師
三塚 岳
Gaku MITSUKA
准教授
三橋 利行
Toshiyuki MITSUHASHI
研究員/名誉教授
福間 均
Hitoshi FUKUMA
研究員/名誉教授
石井 仁
Hitoshi ISHII
ダイヤモンドフェロー
能丸 理玖
Riku NOMARU
大学院生(東京大学連携 D1)
Bela URBSCHAT
大学院生(名古屋大学 M1)